秀岳館高校の記事を見て考える野球留学と高校野球

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野球留学は悪いことか?

私はそこまで上手ではない中でも野球を長いことやっていたので、毎年高校野球は欠かさずではありませんが見ています。
未だに自分の出身県が頑張ると嬉しいし、自分の出身高校が1つでも多く勝ってほしいとは願うだけはしています。

そこで、毎年問題になりますが、今年も秀岳館高校の記事が出ました。
「野球留学」についてです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160820-00000235-sph-base

ちなみに、このヤフコメ欄で最もプラスの意見があるのは

野球留学者が主力になるのは仕方ないが

この学校はやり過ぎ

というものです。

そもそも何人だったらOKなのか?というのもありますが、私は野球留学というか、高校を選ぶのは当然だと思っています。
そりゃそうでしょう。高校は義務教育ではありません。それが全てです。
別に地元の高校じゃなくてはいけないなんてルールはそもそもありませんし、県を超えてはいけないとかいつの時代の話をしてるんだってことになります。

野球でもしかしたらプロになれるかもしれないと思っている中学生が地元に強い高校がないと知ったらどうするか?と言えば当然別を探すでしょう。
当たり前です。なぜ地元に縛られないといけないのか理解できません。

「それでも大阪から熊本なんて」というのはあるでしょうが、そもそも親元離れて暮らすのであれば、同じ県内だって起こり得ます。

例えば北北海道の人が、南北海道の高校へ行く場合、通うのは無理な場合はどっちにしろ下宿です。
果たしてこれは野球留学と批判されるのか?ということです。

恐らく批判されないでしょうが、やっている事は同じです。県内の移籍はOKで県外はNGなんて道理が通りません。
仮に同じ北海道でも親元離れて下宿するという状況が変わらないのであれば、南北海道でも熊本でも本人からしたらさほど変わらないでしょう。
そもそもそんな野球名門校であれば家から近いからという理由で家に帰れないでしょうし。

私は群馬県の東毛にいたので、館林から佐野日大に野球で行ったとか普通に聞きました。
それは県外への野球留学には変わりありませんが、地元の人ですら恐らく気にしてないでしょうし、そんなのいくらでもありました。
県を道一本挟めばすぐ変わる所なんて、そんなもんです。
桐蔭学園のスタメンが、町田出身の野球留学の選手で占められたと仮定しても同じ議論はでないでしょうね。でももしそうだとしても「県を跨いだ野球留学」という事には変わりありません。

秀岳館は大阪の枚方ボーイズのメンバーがこぞって行ったからこそ、余計に問題視されていますが、それだって最終的に判断したのは選手と親です。
まとめて数人だったらOKというのも変な話です。
「5人なら許されるけど6人は許されない」とか言われたとして、その6人目に自分が入ったらやり切れません。「なぜなんだ?高校は自分で選べるんじゃないのか?」と言われて「高校野球は地元が大事だ」という感情で説得は無理でしょう。

秀岳館高校は甲子園ベスト4まで到達したんだから立派としか言えません。
別に県のため、高校野球ファンのために試合しなくても全然OK。自分の夢に向かってやればいいと思います。

卓球の福原愛選手だって卓球留学と言えるでしょうし、オリンピックで金メダルをとったバドミントンの松友選手も髙橋選手もバドミントン留学です。
それを許されなかったら恐らくこの快挙はなかったでしょう。

別の県で過ごす事位何も珍しいことじゃありませんから。

 

『「秀岳館、帰れ!」。スタンドからヤジが飛んだ。』はやりすぎ

高校野球は教育云々言っているが、応援は考えた方がいいと思う試合がありました。

秀岳館へのこのヤジは論外です。高校野球ファンのために野球をやっているのではありません。
ファンを喜ばす必要もありません。それはプロの仕事です。

今年印象に残ったのは東邦高校対八戸学院光星高等学校の最終回でしょう。
いくらなんでも見ていて気の毒になりました。

バックネット裏に招待された少年野球の子たちも一緒になってタオルを振り回す光景はどちらかに肩入れしすぎです。
高校野球が「教育」だとか「人格形成」とか素敵な事を言っているのであれば、甲子園の雰囲気もそれに見合うものにすべきです。

確かに東邦高校は最後まで諦めないというのを体現したような最終回の攻撃でした。
そして甲子園の魔物ではないですが、そういう雰囲気を作り上げてしまったのは光星学院という見方もあります。

それでも私はあの応援は審判が静止してもいいと思いました。
少なくともバックネット裏は止めるべきです。

甲子園は建前ではエンターテイメントとしての野球ではなく、部活動の一環としての野球です。
逆転勝利の方が面白いからファンは乗ったんだと思いますし、仮に東邦高校でなくても、負けている方に肩入れする傾向が強いため、ああいうことになったでしょう。

そうでないのであれば、エンターテイメントとして確立するために外野席もきっちりと金をとり、エンターテイメントとしての高校野球にしたらいいと思います。

選手に過剰なまでにフェアであることを求めるのであれば、観客にもフェアを求めないと釣り合いが取れません。

ファンだって湧き上がる感情があるので、どうしてもそうなるのは仕方ないとは思います。
それでも既にタイムを使い切っており、雰囲気に水を差す事すらできなかった光星学院からしたら、高野連のお偉いさんが一言マイク使って言うだけで大きな違いだったでしょう。「盛り上がったいい試合だ」なんて思っていたら最低ですが。

ただ、応援に水を差すのはフェアなのか?というのもあります。
しかし、部活動で全国大会まで来たチームに対して、片方を過度に応援するという事は、言い換えれば片方に第3者が「負けろ」ということと一緒です。
それは部活動として好ましくありません。

そもそも甲子園でやる以上、地元から離れれば離れるほど応援の数が少なくなるのは当然ですし、インターハイのように開催地の持ち回りでもないので、過去から未来まで関西圏の高校の方がホームの雰囲気を作りやすいのは仕方ありません。

それであれば、過度な応援は止める位の措置があってもいいと思いました。


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